漢字を使う理由は、単に「同音異義語」のため?
われわれが漢字を使う理由として、しばしば同音異義語の区別が取り上げられます。
たしかに同音異義語が多い日本語では、その同音異義語の区別に漢字が役に立ちますね。
しかし…漢字という文字は、単に同音異義語の区別ツールでしかないですか?
もし同音異義語さえなかったら、漢字はお役御免、まったく要らなくなりますか?
漢字の主な目的は、同音異義語の区別ではない
漢字が存在するそもそもの理由は、同音異義語のためじゃありませんよ。
同音異義語の区別は、あくまで漢字の「副次的」な機能の一つでしかないで。
漢字を使う主な目的になり得ませんよ。
そもそも漢字とは、音よりも「意味とイメージ」を優先するための文字です。
とりあえず音は二の次にして、まず意味と概念をイメージとして直接的に「見せる」ための文字が、この漢字であります。
「音で聞かせる」よりも「意味とイメージで見せる」ことに重きを置く表語文字です。
そもそも同音異義語が多いか少ないかは、漢字の主な目的とはあんまり関係ありません。
同音異義語など無くても、漢字は使う価値がある
もちろん音(読み方)も完全に無視できるものではなく、ある程度は重要です。
それでも漢字は「音」よりも「意味とイメージ」が優先していることは変わらないです。
表語文字としての漢字の特性・存在意義を考えると、同音異義語の区別など「漢字を使う主な目的」ではないのは明らかです。
せいぜい漢字が持つ「その他の雑多な機能」の一つでしかないです。
仮に日本語に同音異義語が全くなかったとしても、表語文字としての漢字の長所は決して失われることがありません。
同音異義語なんか関係なく、漢字を使いこなす理由と価値は十二分にあります。