2021年1月23日土曜日

【漢字の歴史】魏志倭人伝:古代日本について詳しく記述した漢文資料

 ざっくり言えば

  • 初めて日本について詳しく記述した「魏志倭人伝」
  • 魏志倭人伝とは、『三国志』の「魏書」のうち「東夷伝」の一部分
  • 邪馬台国のことも載っている(なおその位置は諸説あり)


魏志倭人伝 - 初めて日本について詳しく記述した漢文資料


三国志の東夷伝の一部分たる「魏志倭人伝」
三国志東夷伝の一部分「魏志倭人伝」
画像の引用元:iRONNA
西暦57年頃に、日本最初の漢字である「漢委奴国王」の印が伝えられました。

そしてそのあとも『後漢書』など中国の史料で、日本について断片的に言及されることは度々ありました。

ですが日本について本格的に、詳しく、長文で記述したのは、この「魏志倭人伝」が最初です。



古代日本を詳しく知る重要史料、魏志倭人伝


魏志倭人伝とは独立した書籍ではなく、歴史書『三国志』の一部です。
『三国志』のうち「魏書」のなかで「東夷伝」というパートがあります。
そのうち「倭人条」を、通称「魏志倭人伝」と呼ぶわけです。

この書はいくつかの不正確な部分があるものの、3世紀当時の日本の政治状況と様子、生活様式などを詳しく知ることができる重要な史料となっています。

中でも注目すべきなのが、卑弥呼女王が率いる邪馬台国についての記述です。


邪馬台国の位置はどこ?未だに謎


ただ、この邪馬台国の位置は謎のままです。
肝心な(魏から)邪馬台国への方向について、記述があまりにも曖昧すぎるからです。

邪馬台国がとこにあったかについては、大まかに「畿内にあった」という説と、「九州にあった」という説に分かれています。
そして、邪馬台の位置論争はいまだ完全に決着がついていません。

邪馬台国の正確な位置をはじめ不分明な部分が多くあるものの、歴史上初めて日本を詳しく言及した漢文史料として「魏志倭人伝」意義は大きいと言えます。